26/6/17【Macbee Planet】改革に向けた投資も踏まえて、27年4月期は売上510億円・営業益30億円を見込む
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スピーカー
代表取締役社長 千葉 知裕 氏
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提供
株式会社Macbee Planet
はじめに
千葉社長(以下、千葉):資料に沿ってお話しします。
会社概要
会社概要についてです。
当社は成果報酬型のマーケティング事業を行っています。創業以来、一貫してお客様のマーケティング活動をインターネット上で支援しており、生み出した成果に対して報酬をもらうビジネスモデルで事業を行っています。創業は2015年で、コロナ禍の2020年3月に上場を果たし、2024年7月にプライム市場に移行しています。また、上場後はAlpha、ネットマーケティング、PRクラウドデック、MOJAといった会社をM&Aしており、ビジネス強化のために積極的にM&Aを行っています。
2026年4月期 取り組み
2026年4月期の取り組みについてです。
2025年5月には、サービスラインアップの拡張を目的として、SNSコンサルティングを行っているMOJAをグループインさせました。また、国際的な比較可能性の向上を目的としてIFRSの導入も行っています。主な影響はのれん償却の有無で、日本会計基準と比較して約5.5億円の販売管理費減少となっています(※開示している前期比増減は前期実績をIFRS基準に組み替えて算出しています)。2026年1月には、有力メディアと連携することで、バーティカル・メディアのローンチなど、独自の消費者接点の拡大と中長期的な利益率向上の施策を行っています。その他にも、機動的な事業運営と企業価値向上の取り組みを加速させるために自己株式取得を行っており、創業者である松本の資産管理会社(MG合同会社)から応募がありました。
2026年4月期 業績ハイライト
2026年4月期の業績についてです。
この一年間はかなり厳しい決算になりました。営業収益は、マイナス2%の505億円。営業利益は、マイナス29%の36.5億円となっており、創業以来初の減収減益で着地しました。一方、1,000万円以上の新規取引については、2025年4月期は5社であったものが10社に増えています。そのうち、3,000万円以上の取引が3件あるので、大躍進していると言えます。苦しかったのは既存顧客の部分で、投資、融資、医療の業界に大きな影響がありました。
投資業界に関しては、証券での不正アクセス問題が2025年の4月〜6月あたりに発生し、各社がマーケティングコストよりもシステムコストを優先して対策を講じたため、低迷しました。当社は特に第2四半期に影響を受け、第3四半期から解消に進みましたが、足元はこのような状況となりました。FX・暗号資産は市場の悪化が起きているため低迷しています。融資業界に関しては、第1四半期から生じた媒体費高騰の影響がありました。第2四半期、第3四半期、第4四半期と徐々に回復傾向を見せて、最終的に第4四半期には解消しましたが、とても苦しい状況でした。ただ繁忙期の影響もあり、第4四半期の3ヶ月間だけを見ると、過去最高の売上を更新しているため、マイナスの状況から一気に回復した1年間でした。医療の業界に関しては、オンライン診療において競争環境の変化を背景とした広告単価の見直しが第2四半期以降に発生したため、売上は下落しました。一方で、対面診療においては、追加受注もあり、新規の獲得もあったため好調に推移しています。
全体を振り返ると、投資に関しては前期に起きた状態は解消されてポジティブな状態になっています。一方で、大手証券の商流変更の影響が一部あるため、今後はその点がマイナスの状態になる見通しです。融資・カード業界に関しては、現在あまりネガティブな要素はないので、今期はポジティブな推移となると思っています。医療領域に関しては、第4四半期にかけてネガティブな流れがありましたが、そこから回復基調にあり、第1四半期からは回復の見通しなので、ご安心いただければと思っています。対面診療も好調に推移しています。以上が今期の見通しとなります。
営業利益増減内訳
営業利益の増減内訳についてです。
①売上総利益の減少に関しては、大型顧客の個別事情の影響によって減少しています。②人件費/採用費の増加に関しては、③広告宣伝費の増加と紐づいていて、広告宣伝の効果で企業ブランディング、認知度が向上したため、結果として優良な候補者からの応募が増加しました。積極的な採用活動を行ったことから、人件費は増えている状況です。広告宣伝費に関しては、前期の下期より強化している企業のブランディング、認知度の向上政策を通年で実施しているため、プラス1.6億円という状況になっています。
当社の実績
当社は、「革新的なマーケティングにより、世界を牽引する企業になる。」というビジョンを創業以来掲げています。その中で新たなマーケティングのあり方として、ユーザーの利用金額継続期間を最大化して、広告の費用対効果を最適化するためにデータを駆使したデジタルマーケティングを「LTVマーケティング」と称して、新しい現代のマーケティングのあり方を再定義してきました。市場No.1になったことと、検索を中心とした領域において、LTVマーケティングトップシェアを確立できたことは非常に大きかったと思っています。創業以来、ずっとこの話をしてきましたが、10年経った今では「LTVマーケティング」は私たちだけの用語ではなくなり、一般用語化してきました。他の広告代理店の皆さんが「LTVマーケティング」という言葉を当たり前に使うような時代になってきており、私たちが先駆けとしてやってきたことには価値があったと考えています。
事業環境の変化
事業環境は大きく変化してきています。インターネット広告市場は、生成AIの影響を受けて比較的大きな転換機を迎えています。従来、検索時に表示されるような顕在層向けの広告は、既に世の中に浸透している状況であるため、高い成長性を期待しづらい市場になってきています。一方で、SNSやリテール、各種タイアップなどの潜在層向けの広告は、現在も拡大し続けています。潜在層向けの領域の方が顕在層向けよりも大きくなってきています。AIを活用してパーソナライズされた広告を安く作ることができれば、顕在層向けだけではなく、潜在層向けにもアプローチできると思っているため、潜在層向けの成長市場を開拓しながら事業を展開していきたいと思っています。
当社の強み
当社の強みについてです。
データ×テクノロジー×コンサルティングを掛け合わせて、最適な広告配分を定量的にコントロールし、成果報酬型で提供する設計ができる点が当社の強みです。これは対象市場が潜在層向けであろうが、顕在層向けであろうがあまり関係なく、普遍的な強みとして提供できるものだと考えています。クライアント企業にとっては、広告がリスクのあるものになっている部分もあるため、投資とリスクに着目して成果報酬型で提供できれば、結果として当社の付加価値を残し続けることができると考えています。
今後の成長ドライバー
今後の成長ドライバーについてです。
今後は顕在層向けに行ってきた取り組みを潜在層向けの広告に拡大するために、主要プレイヤーたちとの協業を強化して消費者接点の拡大に取り組んでいきます。協業での消費者接点の拡大には時間を要することが多々あるため、その場合はM&Aを活用しながら、サービス自体を自社で保有して補完していきます。効率的かつ外部環境の影響を受けにくい体制構築が当社が自社でサービスを保有するメリットとなります。
2027年4月期業績予想
今期の業績予想についてです。
売上収益は510億円、営業利益は30億円という数字を掲げています。売上高は微増、営業利益は約マイナス18%となり、数字上ではマイナス成長となります。この数字に関しては、必達数字であると捉えており、これよりも高い数字を狙っていきたいと思っています。配当に関しては、配当性向20%を掲げているものの、2027年4月期は配当金55円を維持したいと考えています。前期比増減についてはスライドの右側にまとめています。売上収益に関しては、投資業界とその他の業界が前期比で減少する一方で、融資・カード業界とその他(金融)とウェルネスの業界では、増える見込みとなっており、全体としては微増となっています。
一方で、粗利益の部分が難しいと感じています。これについては、スライド右下「直近の開示からの変化」内にまとめています。証券業界に関しては、クライアント側の連携や組織構造変更による商流変更を6月の頭に大手証券さんが発表されており、その影響は不透明さがあるため、最大のリスクを想定して下げています。士業の業界においては、広告手法の見直しの動きが起きており、こちらも最大のリスクを想定して減益を見込んでいます。スライド右上「前期比増減」にまとめている通り、広告宣伝費は当社のブランディング向上を目的として継続しつつも、昨年対比では削減していきます。人件費は約1.5億円増加するとみており、AI活用で増加幅は減少する見通しです。また、M&A関連費用、施策推進費用を1.5億円追加計上しているため、販売管理費全体では増加の見通しとなります。4月23日時点の開示から変化した部分は、スライド右下に「営業利益で6.5億円のマイナス影響」と記載している部分です。様々なリスクや最適な見積もりを行った結果、方針が明確に整理できたため、今回の数字開示に至っています。その点だけご留意いただければと思っています。今期も新しい取り組みをさらに加速させて、この難局を乗り越えたいと思っているので、引き続き皆さんに注目いただければと思っています。
質疑応答
質問①:自社株買い等に関して、マーケットから拾うという形を選択していないようにお見受けしますが、このあたりのお考えをお聞かせください。
千葉:4月末に自社株買いを行っています。足元で当社が取り組まなければいけないことの一つとして、迅速な意思決定や体制変更を考える中で、大株主の持ち分比率の高さが問題としてあると思っていました。特定の大株主の議決権比率を下げることによって、コーポレートカバナンスのバランスをとることが、今回の自社株買い実施の一つの目的です。市場から買うことも検討しながらも、そちらを優先した形になります。一方で、市場の方々も入ることできるようにToSTNeT(東京証券取引所が運営する立会外取引システム)を使って実行しました。
質問②:今期の利益について、前期の第2四半期後の投資家説明会では40億円後半、第3四半期後は40億円台、4月の開示では前期と同程度で、結果的には30億円と半年で3分の2になりました。この間に何があったのか教えていただきたいです。また、これまでの経過を考えると、継続的に利益は減少していくと考えられる状況かと思いますが、このような懸念に対してどのようにお考えでしょうか。
千葉:2026年4月期の話と2027年4月期の話に分けてお話ししたいと思います。2026年4月期に関しては、元々営業利益50億円強の数字で開示しており、去年の第1四半期から下がっている状態であった中で、第1四半期を終えたタイミングで、その後の見通しとして40億円強は達成できる数字だと考えていました。しかし、証券、カードローン、オンライン診療の領域で個社要因の影響を受けました。
また、ご質問の30億円までの話は2027年4月期の数字の話かと思いますが、期中で40億円は超える見通しの話をしました。30億円は必達しなければならない数字なので、どちらかというと保守的な数字の置き方という表現に近いかもしれません。40億円台を目指していける感覚ではありますが、今は足元をしっかりと固めて発射台を整えなければならない状況であり、獲得手法に大きな変化が生じているため、その変化に対応することの方が重要だと考えています。足元の業績を短期的に取ることよりも、中長期での成長を取りに行った方が間違いなく良いと思っているので、構想改革の観点から足元の課題に取り組まなければならないと思っています。会社としてのスタンスは変化していきながら、その変化によって達成していくべき数字が切り替わっているところなので、個社ごとの数字に関しては下がっている部分があります。検索を中心に取ってきている部分に関しては減っているので、短期はそこまで影響はないですが、中長期的には影響を受ける可能性があるので、生成AIをポジティブに捉えていけるような事業に切り替えるべきだと思っています。
質問③:数十億円規模のM&Aも模索していくとおっしゃっていましたが、現状はどのような感じでしょうか。また、M&Aを検討している企業はどのようなジャンルの企業様でしょうか。
千葉:元々はマーケティング支援事業をターゲットとしており、インフルエンサーやSNSやITの活用等の領域に注目していました。引き続きそれらの領域を探しつつも、事業を行っているところを新たな投資対象として追加しています。私たちはデータを上手く活用して成果を上げることをやってきました。生成AIによって効率化を図ることはできますが、生成AIの時代に何が必要かというと、元々他社が持たない一次データを持つことが結構重要で、一次データを持つからこそできるマーケティング支援や相互送客、相互補完関係があるため、そういったことに取り組むことが出来れば良いと思っています。特に注目しているのは、金融や金融類似企業です。
最後に一つ補足すると、上場会社もそうですが、今の市場環境は半導体や一部の領域に資金が集まって、グロース市場においては株価が厳しい状況の会社も多いので、M&Aに手を上げてくれる会社は結構多いです。上場/未上場含めて、引き合いがとても多くなっています。
金融アナリスト 三井智映子(以下、三井):AI活用の中で一次データを大事にしながら、ターゲットも増やしているとなると、御社のM&Aによる成長の機会は増えていくイメージでしょうか?
千葉:間違いなく増えています。
質問④:前期に比べて新規獲得数が倍増したというお話がありましたが、増加の要因は何だったのでしょうか。
千葉:東京近郊にいらっしゃる方はご存知かもしれませんが、昨年はブランディングと認知度向上のために、タクシー広告を積極的に打っていました。タクシーはあくまでも一例ですが、これまでは実績はあったけれど、当社を知らない人や企業が常に多かったです。1,000万円以上の引き合いも多く、さらに中小型の引き合いも増えてきたことが増加の要因です。
質問⑤:海外の売上はあるのでしょうか。
千葉:現在、海外売上はありません。海外市場自体は見ており、特に東南アジアを中心にマーケティングの会社を見ています。
質問⑥:どういうことが起こると下方修正が起きるのか、率直にお答えください。
千葉:下方修正に関しては、ネガティブな情報への言及を避けているわけではなく、起きる現象がこれまでと異なるという方が近いです。例えば、昨年の事例を取り上げると、証券業界の不正アクセス問題は、いまだかつてない前代未聞のことだったと思います。このような問題の発生を予測することは難しく、隠すというよりも起きる事象の複雑性が高まっているというのが正直なところです。一方で、もう悪材料は出尽くしていると思っています。なぜ下方修正が起きるのかと言うと、一部のクライアントに寄っているというのはもちろんありますが、AIの発展やマーケット環境の切り替わりによってAIに紐づいて内製化され、これまで築き上げてきたものが一気に切り替わり、みんながいろんなチャレンジをしようとしていることも含めて、この1年は見通しが立てづらい環境であったと思います。
質問⑦:業界再編のリスクに関して、チャンスであるということを去年の第2四半期後の説明会でおっしゃっていましたが、今回の利益率低下に繋がっているのではないでしょうか。
千葉:第2四半期の時と変わらずチャンスはあります。私はM&Aを案件ベースでも見ていますが、獲得手法が変化してきています。新しい手法にチャレンジしながら、裏側を切り替えている状況です。検索/非検索という切り口でお話しすると、GoogleやYahooの検索といった検索メディアから、YouTubeやTikTokといったSNSやインフルエンサーマーケット等の非検索領域の比率が高まってきています。元々、私たちは顕在層向けの検索領域が多かったのですが、現在は非検索領域と言われるSNSでマーケティングをすることが増えています。非検索領域の割合が高まっており、四半期ベースでも数%ずつ切り替わっています。ご質問では「利益率が下がっているのではないか。」とありました。中にはテストマーケティングをやっているものもあるので、短期的に粗利が動いているという部分は起きていますが、これはチャレンジの結果なので仕方ないと思っています。粗利に関しては、約20%の付加価値を生み出せる形を中長期で取りたいので、営業利益に関しても約10%を取れる形を作っていきたいと思っています。早くそこにたどり着けるように構造変化に取り組んでいきたいと思っています。
金融文筆家の田代 昌之 (以下、田代):私も証券業界で約20年仕事をしていますが、昨年起こった証券会社の不正アクセス問題は、非常に驚いた案件でした。社長がおっしゃった通り、あれよりも何か悪いこととなると、大手証券、ネット証券全てのアカウントが止まるといった極端な状態を想定せざるを得ないぐらいで、前期はそれくらい大きなインパクトであったと思います。まさに悪材料出尽くしで、今期を走っていくというスタンスなのではないかと思います。
質問⑧:大手のお客様が会社の成長を牽引しているとおっしゃっていましたが、今後の方針はどのように考えているのでしょうか。
千葉:ポートフォリオを広げて、ボラティリティが起きないようにしたいと思っています。しかし、大口顧客を減らそうとは思っていません。減らすのではなく、同様の規模感の顧客を増やす形でポートフォリオを組みたいと思っています。
質問⑨:外部環境の変化に伴って、今後は潜在層向け広告市場を開拓していくという戦略を打ち出していますが、潜在層向け広告市場の方が既に市場規模が大きくなっているという話もあります。新領域における勝算や今後の取り組みについて教えて欲しいです。
千葉:勝算はあると思います。現在、マーケティングの多様化が起きており、検索領域の顕在層向けの部分は、マーケティング手法が画一的な部分があります。一方で、TikTok、Instagram、YouTube、Facebook、XといったSNSは、さらに拡張してる部分とそれに掛け合わせるインフルエンサーも芸能系のインフルエンサーもいれば、金融に強いインフルエンサーもいて、種別が増えてきています。掛け合わせが増えているため、多様化が進んでいます。それに加え、リテールメディアのようなものが増えてきている部分もあります。私たちは最適アプローチを狙い定めてやっていくことを創業以来ずっとおこなってきたので、多様化が進む中でその強みを活かすことで、勝機は間違いなくあると捉えています。
質問⑩:今後の成長ドライバーについての話の中で、自社での接点構築という話もありましたが、これは広告支援にとどまらず、自社で消費者向けにサービスを展開するということでしょうか。
千葉:はい、その通りです。
最後に
千葉:この1年間は過去一番苦しかった状況でした。その中で様々な気付きや新しい取り組みをスタートさせるきっかけにもなったところがあるので、ここからの1年間はさらに中身を変えていきながら、次なる成長を虎視眈々と狙いたいなと思っているので、ご支援の程よろしくお願いいたします。