24/11/14【サークレイス】主軸のSalesforceとServiceNow事業が拡大。 多くのデジタル人材も採用し25年3月期は前期比25%増収、黒転へ

  • スピーカー
    代表取締役会長 兼 社長 佐藤 スコット 氏 取締役CFO 古川 光瑛 氏
  • 提供
    サークレイス
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今回のセミナーでお伝えしたいこと

古川 光瑛 氏(以下、古川):会社概要や事業モデルについては、既に三井さんと佐藤のパートでご説明しているため、私からは決算に関する部分についてお話しします。

2025年3月期第2四半期 連結決算ハイライト(累計期間)

2025年3月期第2四半期の決算ハイライトについて、大きな数字からご説明します。2024年4月から9月における売上高は、16億9,700万円で、前年同期比はプラス25.5%と大きく成長しました。営業利益は、連結ベースでマイナス2,800万円ですが、当期純利益に相当する中間純利益は、プラス1,000万円となっています。

 

社員数は連結で338名となり、前年期末(2024年3月)時点の296名から、42名増加しました。会社の成長に伴い、新しいメンバーを迎えています。2024年5月14日に公表した連結業績予想値に対しては、第1四半期の売上高が業界全体のトレンドに沿うように営業案件数が少ないこともあり、進捗率は完全ではありませんが、売上高・営業利益・当期純利益において、計画通り推移しています。

損益計算書サマリー(累計期間)

損益計算書のサマリーについてです。

売上高の合計は、前年同期比でプラス25.5%の増収となっています。コンサルティングサービス/SaaSサービスともに、前年同期比で増収しており、昨年の第4四半期から連結対象となったアオラナウ事業も大きく増加しています。

 

営業利益は、連結でマイナスとなっていますが、今後のさらなる成長やグループ全体でお客様により広い範囲のサービスを提供するために、ServiceNow事業を取り扱うアオラナウへの大きな投資を続けています。全体ではマイナスという結果になっていますが、これは計画通りの数字です。純利益ベースではプラスとなっています。

連結業績推移

四半期ごとの連結売上高および営業利益率の推移についてです。

売上高が8億8,900万円となり、過去最大の数値を記録しました。前年同期比で26.7%増となっています。

収益性(連結)

連結の営業利益は、直近の第2四半期で2,300万円となり、営業利益率はプラス2.6%となりました。別のスライドでもご説明しますが、サークレイス単体の営業利益は、前年同期比で大きく増益し、営業利益率は12.2%となっています。

 

販管費は、人件費を原価に仕訳変更したことが一つの大きな要因ですが、会社全体として経費の見直しを進めており、利益を出せる体制が整ってきています。

サークレイス単体 業績推移

サークレイス単体の業績推移についてです。

単体の売上高は、第2四半期が7億9,700万円を記録し、前年同期比で13.7%増と堅調に成長しました。

 

営業利益は、デリバリー部門の稼働率向上や営業案件の増加、各種経費の見直しなどを要因とし、前年同期の3,100万円から9,700万円へと約3倍に増加し、四半期ベースで過去最高を記録しました。

 

売上高に対する営業利益率は12.2%を達成し、2022年4月の上場依頼、初めての10%を超える営業利益率となりました。これにより、アオラナウをはじめとするさまざまな投資を継続できる体制が整いました。

コンサルティングサービス

サービス別の決算の概況についてです。

コンサルティングサービスの売上高は、前年同期比で12.6%増と成長を続けています。コンサルタントの稼働状況のモニタリング体制を強化したことにより稼働率が改善し、サークレイス単体で利益率12.2%の達成に貢献しました。また、大阪の新オフィス開設に伴い、関西圏での受注が進んでおり、新たなターゲット市場を拡大して、営業活動を継続しています。人員数は前年同期比に比べて、2024年3月期の200名から2024年9月末時点で252名と大きく増加しており、今期の売上高達成に向けたコンサルタントおよびエンジニアの人材採用は順調に推移しています。

SaaSサービス

AGAVEについてです。

AGAVEの売上高は、前年同期比44.8%増と大きく成長しています。2024年6月の時点で、AGAVE契約ユーザーID数が10,000人を突破しました。AGAVEは海外人事労務に特化した専門性の高いクラウドサービスかつ解約率も低いため、これらの強みを武器とし、積極的な拡販を進めています。

アオラナウ(連結子会社)

サービスナウ事業を取り扱うアオラナウについてです。

アオラナウ株式会社は、2023年8月に設立し、10月よりデリバリーを開始しています。2025年3月期の通期計画に対し、売上高と人材採用は順調に推移しています。特に、人材採用は今期末の予定採用人数を既に達成しており、今後の売上高増加に向けた体制が整っています。ただし、アオラナウは今後に向けて積極的に投資を行っていくフェーズに相当しているため、今期の第2四半期では、営業利益はマイナスとなりました。第3四半期/第4四半期では非常に案件が増加傾向であるため、赤字幅の縮小/黒字転換に向けて取り組んでいます。今後の決算を楽しみにしていただければと思っています。

連結貸借対照表サマリー

連結貸借対照表についてです。

自己資本比率は58.8%と高い水準を維持しており、財務健全性に問題はありません。

2025年3月期 業績予想

今期の業績予想についてです。

当社はグループ内におけるSalesforceとServiceNow事業双方の拡大およびシナジーの創出を通して、前期比25.8%増の売上高36億5,000万円を目標に事業を進めています。また、アオラナウ株式会社への投資を含む、中長期的な事業成長に向けた投資を継続しながら、今期は営業利益率5%を計画しています。以上が2025年3月期第2四半期の決算説明となります。

質疑応答

質問①:成長銘柄はトップラインが伸びているというのは大事だと思いますが、これは今後も継続するのでしょうか。

 

佐藤 スコット 氏(以下、佐藤)引き続き成長を目指しているので、採用も増やしているのが現状です。Salesforce、ServiceNowだけではなく、他のテクノロジー分野も加えていかなければならないので、引き続き対応できる分野を増やす動きを進めています。売上高は、引き続き伸ばしていく方針です。

 

 

質問②:御社のお得意先や金額の大きい会社をお教えください。また、売上の立て方はシステムを売って、その保守・運用費を月額でもらうのでしょうか。

 

佐藤SalesforceもServiceNowも全く同じビジネスモデルで行っていますが、当社のビジネスモデルは、始めは開発のプロジェクトを1年あるいは1年半ほどの期間で進めます。その後、運用支援やお客様先社員へのテクノロジー研修などの需要が発生し、継続した売上につながることが多いです。当社は、キーアカウントをしっかりと作る戦略をとっています。具体的には、1億円以上の案件を受注することを一つの目安としており、現在では1億円以上の取引先が10社以上あります。このような既存のお客様と深く長い関係を続けていくことに加え、新規顧客企業開拓の取り組みも並行して進めています。

 

 

質問③:来期予想は、売上に対して5%の利益率を計画しているとありますが、黒字は確保するという認識でよろしいでしょうか。

 

佐藤今期は予定通りの利益となる見込みです。一つ補足しますと、売上高と営業利益は見込まれていますが、当期純利益については税金などの計算がまだ確定しておらず、明確な数字は出ていません。ただし、営業利益ベースでは黒字を確保できると考えています。

 

 

質問④:決算の背景について改めて伺いたいです。下期偏重とのことですが、今日の決算だけを見ると少し不安です。

 

佐藤確かに数字だけを見ると、そのようなご意見もあるかと思います。ただ、サークレイス単体では非常に伸びており、利益体制が整っていますので、問題なく成長できると考えています。また、ServiceNow事業側のアオラナウの採用がうまく進んだことにより、予想以上に人件費が増加した点が上半期の課題でした。ただし、案件が豊富にあり、非常にいいパイプラインが創出されているため、長期的な視点で見ていただければと思います。第2四半期の数字だけではなく、半年から1年というスパンで見れば、必ず数字は出ると考えています。

 

 

質問⑤:既に多くの企業でDXが導入され、競合も増えている中で、増員した人材を十分に活用できるだけの営業先や需要はどのように確保しますか。

 

佐藤非常にいい質問ですね。現在、日本は変化の時期にあります。多くの人材を採用できている理由は、SalesforceやServiceNowは世界で評価されている技術の2つであるからです。日本市場でも、最新技術を学びたい・活用したいという人材が非常に増えています。そのような人材を多く採用できたことは、会社の大きな柱の一つとなっています。生成AIやデータ活用の分野は、これから始まる市場であり、当社はこの分野でも新たなチャレンジを続けているので、必ず市場についていけるような体制にします。日本企業のグローバル展開をサポートできる仕事を引き続き進めていきたいと考えています。

 

 

質問⑥:他社と比較して、御社の優位性はどこにありますか。

 

佐藤社員数が増えてきたため、規模において強みがあります。国内だけで事業をしているお客様もいますが、当社は海外に事業展開をしている企業に対して強みを持っています。既にグローバル展開している企業に対しては、当社のサービスが必ずしも役立つわけではありませんが、日本にはこれからグローバルな体制にしていかなければならない企業が非常に多く存在するため、そのような企業に対して、これまでの経験からサポートできるという点が、当社の最大の強みです。

 

 

質問⑦:人材採用や育成についてのお考えをお教えください。

 

佐藤皆さんご存知の通り、SalesforceやServiceNowは世界中で技術的に進んでいますが、日本にはその専門的な人材が不足しているため、当社では人材の育成に力を入れています。また、人材育成やリスキリングは日本にとって最も重要なテーマだと考えています。当社は、新しい技術を学びたい人に教え、その技術を活かした仕事に就ける体制作りを続けており、未経験者を育てることに対しても力を入れています。

 

事例として、サークレイスにいる338名のうち、約10%はSalesforceのスキルを持って入社したメンバーで、残りの約90%は当社がリスキリングを通じてトレーニングしたメンバーです。ServiceNowの分野でも同じように最新のテクノロジーを学んでもらい、スキルを身につけた人材として育てていくことが、方針の大きな柱だと思っています。

 

 

質問⑧:社員数が増加していますが、新卒と中途の割合はいかがでしょうか。また、規模が拡大していく中でガバナンスにおいて注意していることはありますか。

 

佐藤中途採用は即戦力採用という観点では非常に重要だと考えており、引き続き中途採用は積極的に進めています。しかし、コアとなる人材は新卒からしっかり育てていきたいと思っています。3-4年前から新卒採用を開始し、今年も20人が入社し、来年も同様の人数を採用する予定です。時間をかけて育てていくことがキーポイントだと思っておりますので、引き続き新卒採用を強化していきたいと思っています。

 

 

質問⑨:海外経験豊富な佐藤社長から見ると、今の日本のデジタル化の現状はもどかしいと思いますが、今後の新規顧客獲得の切り口や営業戦略を教えていただきたいです。

 

佐藤当社の営業戦略は明確です。例えば、日本でも有数の大手自動車メーカーなどは、既にグローバル化が進んでいるため、当社のターゲットにはなりません。ただし、サプライヤー企業となると、世界中で事業を展開しているにも関わらず、グローバル体制にはなっていない企業は非常に多いと思います。日本の企業で、企業規模は大きいけれどグローバル体制になっていないような企業は、当社としては1番お手伝いしたい企業ですし、技術を活用していけば、グローバルで対抗できる企業体制になっていくと思います。そういった企業のお手伝いをしていく考えでいます。

 

営業戦略は、SalesforceやServiceNowの営業担当の方々と連携することにより、今まで取引をしたお客様の紹介などで仕事をとっていくという点が当社のポイントだと思っています。長く深く関係を保っていくことが重要だと思っています。

 

 

質問⑩:Circlace HTについて、ハイブリッドテクノロジー社のダナン拠点閉鎖の情報開示がありましたが、サークレイスの人材配置に何か影響はありましたか。また、国内でサークレイスが受注した案件に対して、サークレイスにどの程度発注しているのか、稼働人数と稼働率、営業利益率について、お教えください。

 

佐藤Circlace HTは約1年前に、ベトナムにデリバリーできるような組織を作るために立ち上げた事業ですが、正直に言うとあまりうまくいっていません。要因は2つあり、1つは円安です。今までベトナムでは、日本の何割かのディスカウントができていたので、非常に仕事を持っていきやすかったのですが、円安で日本と単価があまり変わらなくなってしまったことが大きな課題の一つです。コストメリットがないので、ベトナムに持っていける仕事がないという問題が直近の課題としてあります。とはいえ、海外と連携していく仕事はどんどん増えていくはずなので、ベトナムの事業を成功させていくことが一つの大きな柱だと思ってます。あらためて体制を整えて、立て直していきたいと思っています。まだ規模的には小さいので、全体の影響は大してありませんが、今後必ず海外との連携は必要ですので、立て直しに焦点を当てていきます。

 

 

質問⑪:中期経営計画で目標数値を掲げて理解を促す必要があるのではないでしょうか。グロース市場については、特に中期経営計画が欲しいです。

 

佐藤中期経営計画は5月31日にリリースさせていただきました「事業計画及び成長可能性に関する事項」内において、既に出しています。私の個人的な意見かもしれませんが、売上高100億円の事業にしていかなければ、1人前の企業ではないと思うので、一つの目安として売上高100億円達成を社内的なゴールに設定しています。時期は未定ですが、1つのマイルストーンとして進めています。

 

 

質問⑫:佐藤社長は、2024年4月から代表取締役会長兼社長になり、代表を兼ねたとのことですが、その意図はありますか。また、取り組んでいくことについてもお教えください。

 

佐藤私は以前から会長職ではありましたが、2024年4月1日に社長を兼任することになった理由は、今年は日本市場が非常に大きく変化しており、それに合わせてサークレイスの事業も大きく変化しなければいけない時期だと思っているからです。そのお手伝いをするならば、社員と直接一緒に取り組んだ方が良いと思い、社長を兼任することにしました。

 

 

質問⑬:古川さんから見て佐藤社長はどのような方ですか。

 

古川2か月前のWEBセミナーでもこのご質問はありましたね。すごく明るくて、面白い方です。新しい話を色々と持ってきてくれて、メンバーにもチャレンジを促してくれます。私自身は、2023年4月に入社したのですが、今期のここまで、2024年4月から11月までは非常に濃密で、1つ1つのアクションを考える機会が多く、そこも面白いと思っています。

 

 

質問⑭:佐藤社長から見たサークレイスの強みや社風、古川さんから見た社風も教えてほしいです。

 

佐藤:1番のチャレンジは、変化に柔軟に対応できるかという点だと思っています。私はアメリカ人で、アメリカでは失敗した場合も謝って次に進む文化がありますが、日本では失敗は良くないとされる文化が浸透しているため、当社もその点が1つ目のチャレンジではあります。怖いからやらないとかではなく、失敗しても構わないから、どんどん新しいことをやってみるというマインドチェンジが1番必要なことだと思っています。若者を集めて研修をしながら、その点をどんどん変えていくことも進めています。その部分が変われば、当社は技術的にも強く、狙っている分野も非常に良いところだと思っていますし、SalesforceとServiceNowは世界でトップ2に近い技術なので、そういった部分の課題は全く問題ないと思っています。そのため、チャレンジ精神と失敗を恐れずリスクを取っていける体制をサポートしていかなければいけないと思っています。

 

古川素直で、新しい知識への好奇心が強く、吸収力のある人材が社内には多いと思っています。新たに入社したメンバーも数多くいますが、元々いたメンバーも佐藤スコットのもとで新しい取り組みを進めており、そういったチャレンジを通して、1人1人の生産性は上がってきているので、これからも数字に表れるように進めていきたいと思っています。

 

 

質問⑮:今後、政策が通ると賃金の値上げもあるかと思いますが、経費が膨らむことも織り込み済みなのでしょうか。

 

佐藤:賃金が上がっていくことはすごくいいことだと思っていますし、その分お客様からも生産性が求められると思います。バリューを高めていくことは、当社のやらなければいけない役割です。テクノロジーが進んで、今よりも一人あたり1.2倍ぐらいの仕事ができ、その人の給料を1.5倍にするというのは、みんなが嬉しい話ですので、そういったことを目指すのは、1つの大きなゴールだという考え方で進めています。

 

 

質問⑯:事業投資については、どのようなお考えですか。また、どのようなことに取り組まれているのでしょうか。

 

佐藤:この前半で利益体制を整え、事業を安定させる理由は、必ず次の分野に入っていかなければいけないと考えているからです。今は、SalesforceやServiceNowを導入している企業が当社のお客様です。両方を導入している企業においても、MicrosoftやSAPなどのような他のテクノロジーも活用されているというお客様が普通です。そのため、そのようなテクノロジー間をしっかりと連携させるための技術が必要であり、強化していかなければいけないと思っています。お客様の全体のIT戦略を含めて考えられるようなチームも非常に重要だと思っています。今進めている話としては、新しいテクノロジーはもちろんですが、全体的なIT戦略も考えられるようなチームを作り始めています。そういった新しい分野で、より大きな仕事が取れるような体制を作ることが、次に投資していきたい事業です。

 

 

質問⑰:社長の目線で今後の見通しや成長性を教えてください。

 

佐藤:今年度のこの半年間は、私が思った以上に結果が良かったです。特に、サークレイス単体の事業は非常にお客様のニーズがありますし、新しいテクノロジーに触れるということで、採用も非常にうまくいっています。2024年に入社した20人の新卒も、やる気があり余ってしょうがないぐらい気合いが入ってるメンバーたちです。私は次の3-5年間をポジティブに捉えています。その前提として、新しいことにどんどん取り組んでいくような体制に変化させ続けることは必須だと思います。社員たちには、「今年が色々変化したからといって、来年変化しないわけではないし、引き続き変化していかなければ、絶対に置いていかれる」という話をしています。これが組織にとって非常に重要なポイントだと思っています。

社長のメッセージ

佐藤:発表をした決算だけを見ると、まだまだ未熟な部分もあるかもしれません。ただし、良い方向に向かっていると思っておりますし、最新のテクノロジーに携わることができており、Salesforceにおいても新しい分野のテクノロジーが発表されています。まだ日本では発表されておらず、アメリカで発表されたテクノロジーに対しても、当社は日本の中の1番手として進んでいると認識していますので、期待できる事業になっていくと思います。引き続きよろしくお願いします。

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